どうして木を植えるのか??

「写真で見るとわりと緑があるのになんで木を植えるのか?」というご質問をいくつか頂きました。

ティウロン村で困っていることは雨が安定的に降らないことと、仕事が無いことだそうです。

今も雨水をドラム缶にためたり、濁った池で洗濯をしたりしています。


焼畑後のオカボ(陸稲)が育っているところ

安全な水を確保するためには雨水を貯める水タンクが必要です。そして安定した量の水を確保するためには水源涵養(かんよう)目的の森林が必要です。

森は根元のスポンジ状の腐葉土で水を蓄え、水質を浄化し、根っこで表土が流失するのを防いでくれます。

また二酸化炭素を吸収し炭素を固定する働きを通して地球温暖化の防止にも役立つとされています。

しかし熱帯雨林は栄養分のある表土が薄く、一度木を伐採してしまうと雨で表土が流され、自然な再生はとても難しいとされています。

日本は80年代ごろマレーシアからたくさんの木材を輸入してきました。当時は直径60センチ前後の丸太を 運ぶ日本のトラックが何十台も行き来してました。今は、ほとんどゼロに近い状 況です。もう、サバ州には丸太が無くなって隣のサラワク州やパプアニューギニ アなどに移ってしまったようです。

そのうちコンクリートの型枠となる合板として使用された木材は2・3回で使い捨てられていたそうです。そうした合板工場も、今はほ とん どなくなり廃墟のようになってきています。

昔、森であったところが現在、草や小さな木がまばらに緑として残されている というのは、本来のその地の自然が保全されてきたわけではありません。 本来の森に戻す努力が自然と人に足らなかった結果です。人はそのような自然の 中では、恩恵を得て生活する事が出来ません。

例えば、小さな木だけでは、家を 作る材木としての利用が出来ません。山や土地にはその環境に応じた、あるべき 緑が植わり、本来の自然に相応しい緑の環境がなければなりません。

人の都合に より伐採されて残された緑は、自然を豊かにはしません。様々な生物や植物も寄 り付きません。

自然を豊かにする緑の再生。他の植物や生物を豊かにする森の再 生する植林活動が、求められていると思います。小さくてもそうした植林活動が 求められます。

百本や二百本の木を植えれば水環境・衛生環境がすぐに改善され、土が肥えて農業でお金が入るということではありませんが、全てはささやかな事の集合です。

小さな活動が大きな流れの呼び水、きっかけになってくれることを期待しています。

そして日本から木を植えに行くことで日本の、マレーシアの、世界の人々の意識にも木(気)を植えることができたらと考えています。

「一年の計は穀を樹(う)うるに如(し)くは莫(な)し 十年の計は木を樹うるに如くは莫し 終身の計は人を樹うるに如くは莫し」

一年の計画は穀物を植えるに勝らず、十年の計画は木を植える勝らず、百年の計画は人を育てるに勝らず)

〜『管子』(中国:春秋時代)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

〜世界の事情〜

世界には安全な水を飲めない人が10億人以上(世界人口の1/6ないし1/5)いると言われています。
不衛生な水環境のために下痢などの病気でたくさんの乳幼児が死亡しています。

安全な飲料水へのアクセスは国連のミレニアム開発目標(主に2015年までに国連や国際社会が取り組むべき課題とした数値つきの開発目標)のひとつです。

 

 

「ティウロン村の笑顔を守りたい」募金活動における(財)オイスカの働き

募金活動に多大なご協力を頂いている、NGOオイスカさんの位置づけについて説明いたします。

1、 「ティウロン村の笑顔を守りたい」計画の立案(河合亜紗比さんと調整)

2、 募金チラシの印刷、配布

3、 オイスカ本部と現地オイスカスタッフ(マリトスさん、サバ州農村開発公社職員)との連絡調整(メールと電話)

4、 植林ツアーの計画・実施(オイスカ岡崎支局)

5、 ペットボトルキャップの収集管理

6、 募金管理

7、 書き損じ葉書管理

8、 オイスカ岡崎支局による募金活動

9、  マレーシアでの作業全般、その後の管理
 【植林、水タンク提供、他の作業全般は、オイスカとオイスカが過去に受け入れた
  訪日研修生OB(フェリックスさん、ピーターさん、マリトスさんなど)とサバ州農村開発公社(マリトスさんなど)と協働で行う。】

10、報告書作成

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

※個人である河合亜紗比がオイスカのツアーでホームステイをしたティウロン村の家族との交流から得た感動・感謝を発展させて、
 現在の「ティウロン村の笑顔を守りたい」募金活動に至っています。
 その個人的な動機からなる想いを、オイスカというNGOが汲み取り受け入れ、具体的に計画、実施するという国際協力の新しい姿です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

home

inserted by FC2 system